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  • 背戸 美樹

なぜ社会保険労務士を選んだのか?

更新日:2022年6月25日

 なぜ社会保険労務士を選んだのか?

 札幌に戻ってきてから元上司や同僚、取引先の社長などさまざまな方に尋ねられます。

 私としては、銀行で経験した仕事も監査法人で経験した仕事もすべて今に繋がっているという思いは揺るぎないのですが、改めて”なぜ?”と尋ねられると、どこからお話ししたものやら・・・といつも悩みます。

 というわけで、”なぜ社会保険労務士を選んだのか?”、ブログを読んでくださるみなさまへ、はじめましてのご挨拶代わりに書いてみようと思います。

illustrated by 漫画家社労士 阿部朋子

 

 話は1998年まで遡ります。

 確定拠出年金法案が国会で審議される中、その取扱いが一般銀行に認められることが決まったタイミングで、当時勤めていた銀行に確定拠出年金に関わるコンサルティング専門チームが組成されました。前回お話した人事異動発令を受けて、私はこの確定拠出年金業務の専門部隊に配属され、これを機に転職を経験しながら退職給付のコンサルティングに10余年関わることになります。

 退職給付制度は長期の報酬制度として人事制度の一部を構成しています。人事制度の中の極一部の領域で小難しいことをやっている人たち、言い換えれば、金にならないことをちまちまやっている変人として扱われながらも、わかりづらい制度になってしまった企業年金制度の受給者のために貢献したい、という気持ちを持って取り組んでいました。でも、網羅的ではない限定的なサービス提供を続けていくうちに、クライアントが直面している課題に真の意味で寄り添っていない、という思いが次第に強くなっていきました。

 そして、監査法人の中のコンサル部隊に籍を置いていたこともあり、別のラインで内部統制のコンサルティングを扱う人たちの話を聞く機会も多くありました。彼らの中には内部統制の阻害要因は、結局は統制環境だと感じている人が一定数いることに気がつきました。

 統制環境とは企業風土、会社への帰属意識などを指すことが多いと思われますが、確固たる定義はありません。内部統制を阻害するもの、それは、ヒトの問題に行き着くということなのだと私は感じました。

 企業活動を左右する問題に、そこに属する人の問題が一定の割合を占めるということ、そして、私が感じていた退職給付に係るコンサルティングの手詰まり感が相まって、人事労務に係る法律や判例に関心を持つようになりました。人事労務関連サービスの経験を積める仕事はないかと模索しましたが、その当時は組織の中で何の力もなく、また、すでに年齢が中高年の域に達しており新領域での就職活動は上手くいきませんでした。考えあぐねた挙句最終的には人の問題に関わる法令を取り扱う資格を、と考えるようになりました。これが、社会保険労務士という資格に辿り着いた長い、長いプロローグです。

 社会保険労務士資格を取得した後、しばらくは資格の活かし方に迷いがあり、フリーランスとしてクラウドの世界で労働法に関する執筆や人材開発、M&Aの実行段階における人事制度統合を支援する業務などの経験を積みました。

 そして、2018年4月に社会保険労務士としてふるさとの札幌で開業することとなり、現在は個人事業主として、給与計算や労務手続きなど基礎的なサービスを提供するとともに、「かんたん労務健康診断」や「未払賃金予防検診~賃金計算チェックサービス」などの簡易的な労務監査、ICTを活用した労務管理システムの導入に関する支援など北海道の中小企業の皆様へご提供しています。

 加えて、行政サイドから北海道の中小企業に対して働き方改革やダイバーシティ推進に関する支援を行っています。法改正やその解釈などの行政協力から得られる情報は鮮度が抜群であり、インプットとアウトプットを同時並行的に行えること、そして、なにより行政サイドの考え方を体感できることに高い価値を私は置いています。

 しかし、当然のことながら行政協力は一定の時間拘束されます。個人事業を行政協力と並行して行うため、今年の3~4月はコンサルタントとして監査法人で働いていた時と同じような労働時間、おそらく月の時間外労働が過労死ラインを超えるような状況になってしまいました(今の監査法人ではこのような時間外労働は生じないと思ってくださいね)。

 個人事業主として、健康管理が絶対的優先事項のはずなのに反省しきりですが、日々新しい仕事に向き合う苦しさにもがきながらも、資格を活かしつつ楽しく暮らせていることに自分自身が今一番驚いている、そんな毎日です。

 それにしても・・・どんな企業にもどんなシチュエーションでも、気後れせずに営業を欠かさない私に、周囲のみなさんが若干引き気味なことに苦笑いすることが多いのですが、銀行時代に培った心臓に毛をはやすスキルが、開業して今一番活躍しているスキルかもしれません。やっぱり、銀行時代も監査法人時代もみんな今に繋がっているんだなぁ。

 

 今回も漫画家社労士 阿部 朋子先生に私のひとり語りをイラストにしていただきました。なかなか雰囲気があるいいイラストだと思いませんか?毎日毎日「飲みに行きた~~~い」と愚痴って叫んでいる私に呆れつつ、絵の中だけでもと・・・大好きなおでんと焼き鳥 、そしてお酒(ノ´∀`*) をありがとうございます!早くコロナ禍が去り、思う存分外呑みができるよう、みなさん一緒にがんばりましょうね(●≧ω≦)9

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